4/25/2020
当院の感染予防対策をアップデートしました。
当院は、日ごろから患者さまの健康、自分たちの健康を大切に考えて診療を行っております。院長が在米時にこの点をたたきこまれた経験上、感染予防対策、スタンダードプリコーションは当院では特に力をおいておりました。この点を好んでいただき当院に就職希望されるスタッフもいるほどです。
今回の新型コロナウイルスCOVID-19の蔓延は、それに加えて地域全体の健康を考慮する社会的な観点も必要になりました。
現在(2020年4月)、東京都では医療従事者の活動制限の要請はされておりませんが、歯科医療はそのリスクを考慮しないといけないものと認識しております。
ADA(アメリカ歯科医師会)のガイダンスhttps://www.ada.org/enによると、この新型ウイルスは
1 今までのウイルスよりもくっつきやすい(sticky )性状がある。
2 60歳以上のかたや、持病のあるかたが重症になりやすい傾向。
3 飛沫感染やエアロゾル噴霧からの感染の可能性があるかもしれない。
4 金属やプラスティックの表面でしばらく生き残る。
このウイルス蔓延の影響を鑑み、激しい痛みなど緊急性のある症状の方や治療途中で進めたほうがよいと思われる方を除いて、ご予約の変更延期をさせていただくことにいたしました。
そして、それに伴い、現在わかっている情報を元に、ひとたび我々の感染予防対策(インフェクションコントロール)のレベルを一段階高めました。以下をご参照ください。なお、”We`re not living in a perfect world" ~100%完璧な感染予防などないが、だから努力する必要がある~ と、院長の在籍していたNYUにて公衆衛生の講師がよく言っていたことを、ここで引用させていただきます。
1 通常時の感染予防対策の取り組み/スタンダードプリコーション
a 可能なものをディスポーザブルにする;交叉感染予防のため、グローブ、バキューム、コップ、エプロン、ラバーダム等の患者毎の交換、
b バリアテープの活用;グローブが触れる部にバリアテープを診療前に張っておき(ライトのハンドル部、チェアを動かすスイッチ部、唾液を吸うバキュームの持ち手部等)、患者ひとり診療後毎に張り替える。
c バリアテープできない箇所で汚染された可能性のあるところ(環境面)を医療用消毒ワイプ(エタノール/イソプロパノール/第4級アンモニウム塩の複合薬)で清拭する、
d 金属系の機材器具、歯を削るドリル、タービン類等は、クラスBのオートクレーブにて滅菌する。(クラスBオートクレーブは中空の器具の中をも滅菌可能なヨーロッパ基準)。滅菌とはすべての菌、ウイルス、芽胞類を死滅させること。
e 加熱をすると変形してしまうような滅菌できないゴム、プラスチックの器具は高水準消毒薬(フタラール製剤)を用いる。(各種の栄養型細菌・真菌・結核菌および各種ウイルスに対して、5分で殺菌効果 、不活化効果を示します。医科の内視鏡の消毒のレベル)
2 新型コロナウイルス対策として現在できること
a 上記の通常時の感染予防対策に追加して、ユニット周りのグローブで触れる部位以外のところ全体(チェアクッション部、ホース部等)を医療用消毒ワイプで清拭。
b エアロゾルの出る診療の最小限化・延期. あるいは手用器具やラバーダムを用いる代用案
c エアロゾル吸引のための口腔外バキュームや強化型カニューレサクションの活用
d 最大限の換気(窓を開けたままでの診療、換気扇/ロスナイ常時使用)
e 待合室が広いため、離れて座っていただく、さらにアポイントメントを調整させていただき待合室に多くの方が入らない状況にする。
f 当院の個室、半個室の環境は、プライバシーの確保だけでなく、隣同志の空気の交通が最小限なため交叉感染の予防に役立つと考えられます。
g 患者さまの入退室時の手指アルコール洗浄の実施のお願い
h プラズマクラスター等の 空気洗浄機の稼働