戦後の日本の歯科学の様子がうかがえる貴重な資料です

ニューヨーク大学インプラント科の補綴学のファカルティのひとりに LLOYD LANDA先生というベテランの先生がおられました。 補綴学とは、被せものやブリッジや入れ歯を主とする一分野で、わたしは特に,インプラントを使用した入れ歯(オーバーデンチャー)を中心に教わりました。
彼のお父様が戦後にアメリカ人歯科医として初めてフルブライト基金にて東京医科歯科大学に5か月間教えに来ていたとのことで、あるときこの文献をいただきました。
この写真は文献とは関係ないのですが、 神作歯科医院の昭和のものです。
本文では、”Land of beauty” ”Love of Nature, Flowers and Trees"とたたえ、 海岸線の松林の美しさ、 床の間にかざる花の美しさ等細かく観察されていました。
もちろん本来の目的である、歯学生の教育、卒後教育のありかたや、予防歯学の啓蒙、そして口腔の健康の大切さを人々に伝えること, public health/公衆衛生についても熱く言及されています。 いまと根っこの部分は変わらないと思います。
当時の日本は基礎的研究のほうが花形で、歯科の技術の発展にはそれほど力がそそがれていなかった様子は興味深いです。
お父様の文献を大切にされているなんてLANDA先生もチャーミングですよね。